認知心理学a(2015)第10回 【実験10-2】
1〜2/2
[Q1]
☆キャッサバ問題
あなたは,太平洋のマク島のみに見られる,ポリネシア文化の一部族であるカルアーメ族の一員です.カルアーメ族には守らねばならない厳しい法が多くあり,あなたは長老たちにそれらの法の執行を任せられています.これに失敗すると,あなたとあなたの家族にとって不名誉なこととなります.
カルアーメ族の男は結婚すると顔に入れ墨をします.逆に言うと既婚者だけが顔に入れ墨をしています.顔の入れ墨はその男が既婚者であることを,入れ墨のない顔は独身であることを示します.キャッサバの根は強力な媚薬なので,それを食べた男性は女性にとって非常に魅力的に見えます.おまけにそれはおいしくて栄養豊富です.そして非常に貴重なものです.キャッサバの根とは違って,モロナッツはどこでも手に入りますが,粗末な食べ物です.それはおいしくもなければ栄養もありません.めぼしい「薬用効果」も別にありません.
誰もがキャッサバの根を欲しがりますが,それは一部の限られた人達の特権です.あなた方はキャッサバの根の媚薬効果が無くてもとても好色な部族ですが,同時に厳しい性的なしきたりのある部族でもあります.長老たちは未婚者間の間でのセックスに対して非常に批判的であり,特に独身男性の動機や意図といったものを信用していません.そこで,長老たちは特権を割り当てる法を作りました.あなたが施行を任された法は次のようなものです.
「ある男がキャッサバの根を食べるのならば,顔に入れ墨を入れなければならない」
キャッサバの根は非常に強力な媚薬なので,多くの男が長老の目を盗んでこの法を破ろうとします.
下に示すカードには,ある仮設キャンプに座っている4 人のカルアーメ族の若い男についての情報が書いてあります.周りに長老たちはいません.皿にはキャッサバの根とモロナッツとが盛られたままになっています.それぞれのカードが一人ひとりの男に対応しています.カードの片面はその男が何を食べているのか,もう片方の面は顔に入れ墨をしているかどうかを示しています.
あなたは,性欲のために法を破ってしまうかもしれない人を捕まえることです.もしも,一人でも取り逃がせば,それはあなたとあなたの家族にとって不名誉なこととなるでしょう.4 人のカルアーメ族の男の中に法を破っているものがいるかどうかを知るために,めくる必要のあるカードを選んで選択してください.
「キャッサバの根を食べる」
「モロナッツを食べる」
「入れ墨をしている」
「入れ墨をしていない」
「キャッサバの根を食べる」と「モロナッツを食べる」のカード
「キャッサバの根を食べる」と「入れ墨をしている」のカード
「キャッサバの根を食べる」と「入れ墨をしていない」のカード
「モロナッツを食べる」と「入れ墨をしている」のカード
「モロナッツを食べる」と「入れ墨をしていない」のカード
「入れ墨をしている」と「入れ墨をしていない」のカード
[Q2]
下のカード4枚は、4人の人間をあらわしている。それぞれ片面にはその人の年齢、もう片面にはその人がいま飲んでいる飲み物が印刷されているとする。
「ビール」 「烏龍茶」 「32歳」 「18歳」
これら4枚のカードにおいて(4人の人間において)、「アルコール飲料を飲んでいるならば、20才以上でなければならない」というルールがちゃんと守られているかどうかをチェックしたい。
このルールがちゃんと守られているかどうか確認したいとき、最低でも、2枚をめくる必要がある。どの2枚のカードをめくって裏側を確認する必要があるか?
次の選択肢からひとつ選びなさい。
「ビール」と「烏龍茶」のカード
「ビール」と「32歳」のカード
「ビール」と「18歳」のカード
「烏龍茶」と「32歳」のカード
「烏龍茶」と「18歳」のカード
「32歳」と「18歳」のカード